コラム
Column

モノづくり工場の創意工夫

コラム『モノづくり工場の創意工夫(2)』

パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社(以下「PFSC」)の幸前です。
株式会社日本生工技研様(以下「JIET」)のリクエストにより、文末に小生のプロフィールを掲載しております。

さて、『モノづくり工場の創意工夫』第2回目の投稿です。

第1回目のコラムでも触れましたが、環境変化によってモノづくり形態が変化・進化し続けています。既にご周知の通り、モノづくり工場においては、多品種少量生産で低コストをいかに実現するかがポイントです。

その実現には、『モノづくり基盤力』と『資材生産在庫管理力』の更なる強化と進化が必須、車に喩えるなら『エンジン』と『キー』でしょう。

今回、モノづくり基盤力の一つである『5S』の創意工夫にスポットを当てます。
尚、所々に表れる専門用語の定義については割愛します。ご容赦下さい。

馴染みの5S、今更5S?との声が聞こえてきそうですが、5S活動=美化活動の工場も散見されます。真の価値ある5S(3S)活動を実践されている工場は、『Q・C・Dの定量的な効果』を獲得されています。
多品種少量生産において、増え続けるモノと情報の5S(3S)は必須と言えるでしょう。(1ライン1日20回の機種切替はざらで、50回超の工場に遭遇したこともあります)

そこで、『真の価値ある5S(3S)活動のプロセス』の紹介です。(下記1.~5.)

1.PDCAプロセスの策定
継続的に価値ある活動をしている工場は、このプロセスが軽くてシンプルです。
PDCAの各段階に対して『5W1H』を漏れ・ダブり無く、策定しています。
ここが最も重要、この『プロセス』如何で価値が左右されます。

2.何故5S?意味や必要性・原則を理解
5S活動は『定量的効果をもたらす!』との共通認識が重要です。
『原則』の認識も実行に影響を与えます。整頓の3定に『定刻』(誰でも同じ時間でモノ・情報の取り戻し)を加え、数倍の効果を獲得しているケースもあります。

3.全員で実行(1人の10歩ではなく『10人の1歩』)
他人の実行(アイデア)を批判せず、それを修正・改善・発展・結合させ、『協働』活動により効果を得ている事例があります。また、解決までを求めるのではなく、『自分で解決できなくても良いよ!』が潜在課題の顕在化をもたらしています。

4.効果を全員で共有
定期的な効果共有が『満足感・達成感』を生み出し、意欲(やる気)向上・アイデアの深化に結び付いているケースが見られます。年2回程度の社内コンテストを開催、『外部コンテスト』への参加も有効です。

5.効果の原則化
『原則』は、迷った際の拠り所、同じ過ちの繰り返しを打破します。原則を見直し続け、人の意識で守ろうとするルールから、そうせざるを得ない『仕組み』に置換えている工場は、継続的に定量的効果を獲得されています。.

この3.~5.のプロセスにおいてJIETの作業動作分析ソフト『タイムプリズム』の活用が有効です。

5Sは日本のお家芸とも言われ、世界も認めて実践しています。また、日本は既存のモノの改善に長けていると言えるでしょう。
モノや情報が増え続ける多品種少量生産の今こそ、『真の価値ある5S取り組み』が更なる高収益工場に導いてくれると実感しております。

第3回目の投稿は、2~3ヵ月後の予定です。

尚、コラムは、パナソニック株式会社 及び PFSCの見解を示すものではありません。
日々のモノづくり工場のコンサルティング業務を通じ、小生が実感していることを自由に描いたものであります。

投稿者プロフィール

[職務履歴と現職]
松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社以来、国内外モノづくり工場のシステムインテグレーターとモノづくり力強化コンサルティングを担い、顧客独自のモノづくりプロセスの構築に貢献。現状においても、各種資格・手法と約200社(約5000人)のコンサルティング経験を活かし、人財育成・組織力向上を考慮した経営力・モノづくり力強化コンサルティングを担う。

[得意分野]
モノづくりマネジメント全般
(5S、見える化、工程設計、生産管理、品質管理、作業管理、コスト管理 等々)
コミュニケーションスキル全般
(傾聴、質問力、問題解決力、伝える力、リーダーシップ、自己分析 等々)

[保有資格]
産業カウンセラー、TOCーICO国際認定、FP技能士(AFP)、JQAセルフアセッサー、品質管理検定 等々
JIET

執筆者プロフィール

職務履歴と現職

松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社以来、国内外モノづくり工場のシステムインテグレーターとモノづくり力強化コンサルティングを担い、顧客独自のモノづくりプロセスの構築に貢献。現状においても、各種資格・手法と約200社(約5000人)のコンサルティング経験を活かし、人財育成・組織力向上を考慮した経営力・モノづくり力強化コンサルティングを担う。

得意分野
モノづくりマネジメント全般

(5S、見える化、工程設計、生産管理、品質管理、作業管理、コスト管理 等々)

コミュニケーションスキル全般

(傾聴、質問力、問題解決力、伝える力、リーダーシップ、自己分析 等々)

保有資格

産業カウンセラー、TOCーICO国際認定、FP技能士(AFP)、JQAセルフアセッサー、品質管理検定 等々