語り部、ノムさん
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語り部、ノムさん

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コミュニケーションとは

最近のビジネススタイルは、オンライン(Webミーティング)が一つの標準になりつつあるのは、どちらの企業も同じではないでしょうか。
確かに、時間を掛けて、得意先に出向く必要もなく、費用も抑えられ、短時間に事を済ますことが出来、遠隔地同士複数の参加者が同時に参加できる大きなメリットがあります。
しかし、その反面である逆効果についても少し考えながらコミュニケーションの必要性について話題提供させていただこうかと思います。
人間の意思伝達の方法は、話す、聞く、書く(読む)、顔の表情や仕草、触れる(肩をたたく、握手)など複数の方法があります。
言語が異なれば話す、聞く、書くはできません、視聴覚の障害があるとその制約はさらに多くなります。また、お互いの間にはスキルの差があるかもしれません。正確な意思が相手に伝わっているかの確認も必要になります。
普段から他愛のない、おしゃべりやご機嫌伺い、季節や体調の話などは相手を知る意味では本題に入る前の大切なコミュニケーションの取り方だと言えるでしょう。
古来日本人は、言葉や文字による伝達方法を重視していましたが、多くの外国人は表情やジェスチャー、触れる伝達方法が主体的でした。コロナ禍のマスク着用は本当に意思の伝達に苦労したと聞いています。
先方に伝える内容が一方的な説明や座学的な講義などであればWebミーティングで事足りるでしょう。内容がさらに、交渉、質疑応答、詳細説明、契約や発注、書面による調印などになると、対面しないと物事が進んで行かないのが普通です。
私の経験ですが、メールの文章や電話の口調で判断すると先入観が先に立ってしまいがちですが、実際に会ってみると全然違う対応や結果になり、時には胸を撫でおろすことも少なくありませんでした。また、その逆に、少々強めの気持ちを込めて送っても、相手の取り方でほとんど伝わっていないことも多くあります。
オンラインのデメリットは、まさに人間特有のコミュニケーションの最終かつ完結する手段にはなりえないというのが私の結論です。
ビジネスの場では、その本来の目的は契約、成約、であるとしたら必然的に双方向の意思確認が必然であることは分かります。訪問スケジュールの調整、名刺交換やお客様へのご挨拶、訪問手続き、座る場所、話の切り出し方、そして先方との表情が読み取れて意図が汲み取れているか、などなどコミュニケーション不足になりがちな社員が将来どのように育っていくのか、老婆心ながら不安と心配が交錯しています。
便利さというサービスに飛びつく気持ちも分かりますが、その反面、失われていく物の大きさにも気付く必要があると切に感じました。