第7号
海外進出工場の悩み
円高・災害・海外企業との競争激化などで国内製造業の海外移転・進出は今後もかなり行われるでしょう。タイムプリズムに活路を見出した企業の抱えた問題点を担当者の目線でまとめていただきましたので第1回目として現地レポートを掲載させていただきます。日系J社(金属加工:上海市)の実例報告 。
報告者担当部署:製造室副課長(大手製鉄・重機日本企業に18年勤続の中国人管理者)
問題点1・・言葉と考え方の壁
☛中国人通訳の悩み
- 通訳の語学レベル
- 当該業務の熟知度
- 通訳の中立性
- 世代間の考え方のギャップ
- 出身地文化の多様性による考え方の違い
問題点2・・教育と管理
教育の違い
- 日本では学校教育を終えて入社後引き続き企業教育を受けることが一般常識
- 中国の多くの外資系企業では教育を行う制度が定着していない
管理制度の違い
- 日本企業の特徴は技術革新と管理の徹底を遂行することである。よって経営者や管理者を一定期間責任を持たせて常駐させる。
- 経営者や管理者のローテーションが目まぐるしく結果が出るまで常駐することが少ない。初期の企業文化を定着させるために初期のリーダー役の選定は事業立ち上げの成否と企業管理意識の樹立に大きな影響を与えることになる。
- 日本式管理方法を推進する上でのハードル・・・「反日感情」の壁、日本人スタッフの意思に反する方向に進んで行ってしまうこともありえる。
以上の2点が日中間企業を経験した方の大きな違いと感じているところです。