語り部、ノムさん
Column

語り部、ノムさん

第11号

羽生善治 著 「大局観~自分と闘って負けない心」

今朝は、角川書店から出版されている、羽生善治さんが書かれた「大局観~自分と闘って負けない心」の中に、<局面での選択>を考えてみました。
96年、将棋界に7つあるタイトルを独占するという前人未到の偉業を達成するなど、将棋の創造性、魅力をさまざまな形で発信してきた。将棋棋士、羽生善治さん。

数々の対局終盤に“羽生マジック”と呼ばれる一手を繰り出し、多くのファンを魅了してきた羽生さんが、将棋を通してみた人生観を書いたものがこの本。
羽生さんは3つのことを駆使して、対局にのぞんでいるといいます
1つが「直感」、そして「読み」、もう一つが「大局観」。

なぜ次の一手を読むのではなく、大局観が大切なのか
羽生さんの考えに踏み入ってみました。

先日、ラジオ番組で羽生善治さんの著書についての紹介がありました。
「直感と読み」はこれまでの経験や学習・感性を研ぎ澄ませていけばこれから立ち向かっていく目の前の試練に対しての防備となるものである。状況が分かっていれば予測のできることに対して次の一手も打つ手が決まる。

しかし、常に変化する流れの中で全体の動きを読んで方向性を定めケースバイケースで物事の進捗を判断し、全体の中のプログラムを立てるといういわば組織の中では重要視されることを個の中での司令塔を自らが演じてまたそれをやり遂げる力を「大局観」と言うそうです。

将棋の世界ではもちろん頼るものは自分自身しかありません。目の前の相手との厳しい心理戦に勝つためには「直感と読み」はもちろん必要不可欠でしょう。組織の中での作業改善や見える化活動も同じこと。とかく大きな集団の中で埋もれがちな個の見えない力ですが日常の業務の中では「直感と読み」を各自が持ち場の中で最大限発揮することを忘れてはなりません。そして企業という組織の中では一人一人がこの「大局観」を持つことによって個の力がさらに正しい方向性と相まって大きな力となり貢献できるのではないでしょうか。
今、日本国中は震災による大打撃を受け、とりわけ製造業では操業もままならない状況に置かれています。そんな時だからこそ視点を変えて普段出来なかった作業改善などの取り組みや「大局観」を養う時間に費やしたらどうでしょうか。