語り部、ノムさん
Column
語り部、ノムさん
第2号

効率的な生産方式とは・・トヨタ生産方式に学ぶ①

製造業を円滑に運営していくには当然企業全体の利益を考えねばなりません。
「製造業における利益の獲得=効率的なモノの流れを作ること」にあります。
では、具体的にどこに視点を当てて行くかですが、トヨタ生産方式によりますと生産部門は「作りすぎのムダ」であり、販売部門では「売れ残りのムダ」、調達部門では「買いすぎのムダ」となります。

販売部門や調達部門のムダの多くは、体制を組みかえたり人の入れ替えなどで比較的楽に対応できますが、生産部門が「作りすぎのムダ」を改善するには、設備や技能作業員の組み換えに時間も費用もかかり実際にはなかなか大変です。
作業改善では今ある姿を精確に作業測定し、そこからムダ・ロスを発見・除去した作業標準を用意することが基本となります。

生産部門にもっとも求められているのはモノづくりのスピード力でしょう。スピード力とは周りの状況に合わせてアクセルを踏み込んだり時には緩めたりして円滑な流れに乗って操縦する車のようなものだと思います。周りの交通環境を読まなければ衝突が生じたり、気付かないうちに大渋滞を引き起こしていることになりかねません。
「作りすぎのムダ」とはまさしくこの状況にあって、急ブレーキを踏んでも間に合わない状態に陥っているたとえであるでしょう。
作りすぎは最大のムダであると捉えるトヨタ生産方式には頷くものがあります。